結党60年をめざし勇躍前進しよう――。公明党は9月25日、都内で第14回全国大会を開き、2年後の結党60年に向け党勢拡大にまい進することを確認し、新たなスタートを切りました。大会の模様を紹介します。
<山口代表が再任>
党大会では、代表に再任された山口那津男<やまぐち・なつお>代表が、「全議員が党勢拡大に闘い抜き、大いなる飛躍を遂<と>げて結党60年を迎えたい」と力説。来年春に迎える統一地方選について「公明系候補が政界に初進出した党の出発点であり、党の基盤を強化する上でも断じて勝たなければならない」と強調し、「決意を新たに党勢拡大に向け地域へ、現場へ勢いよく打って出よう」と呼び掛けました。
さらに山口代表は、公明党の前身である公明政治連盟の第1回全国大会で党創立者が立党精神の淵源<えんげん>となる「大衆とともに」の指針を示してから、9月で60年を迎えたことに言及。「立党精神に込められた思いは『庶民の声を代弁する政党、政治家はいないのか』という〝衆望〟にほかならない。衆望に応えていく闘いこそ公明党議員の不変の使命だ」と訴えました。
これに先立ち代表選出が行われ、党規約17条3項の規定に基づき、山口代表が出席代議員の起立総員で信任を得て再任。山口代表は新役員を指名し、石井啓一<いしい・けいいち>幹事長、北側一雄<きたがわ・かずお>中央幹事会会長(副代表)、高木陽介<たかぎ・ようすけ>政務調査会長ら本部役員32人が挙手多数で承認されました。また党大会には、岸田文雄<きしだ・ふみお>首相(自民党総裁)が来賓として出席し、あいさつしました。
<幹事長報告>
石井幹事長からは今後の運動方針などについて報告がありました。石井幹事長は、人口減少・少子高齢化など諸課題を克服する新たな構想として、2023年度中をめどに「安心と希望の『絆<きずな>社会』2040ビジョン(仮称)の策定に取り組む」と力説。新ビジョン策定に当たっては、教育や医療、介護などの望ましい給付のあり方、各分野の効率化や改革の優先順位などについて検討する方針を示しました。その上で、財源や負担のあり方に関して議論し、40年までの社会保障改革の大きな流れを示す包括的なビジョンとして、23年度中をめどに仕上げる予定です。
また党勢拡大に向けては、①訪問対話②街頭演説③市民相談を基にした地域の実績作り④公明新聞の拡大――の議員の日常活動に加え、恒常的に党を支持してくれる「アクティブサポーター(AS)」の拡大に総力を挙げると強調。政策力や拡大力、現場力を備えた「議員力」を徹底的に磨くとともに、ASづくりを通して、党のネットワークを地域の中へさらに広く、深く浸透させようと呼び掛けました。
さらに、会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用していくと述べるとともに、女性や青年の声を政治に反映させ、党理解の輪を広げる取り組みも力強く展開していくと訴えました。
<政調会長報告>
高木政調会長は、今後2年間を見据<す>えた重要政策「日本を、前へ。~すべての人を大切にする社会を~」を発表。具体的には①経済の成長と雇用・所得の拡大②誰もが安心して暮らせる社会へ③デジタルで拓<ひら>く豊かな地域社会④国際社会の平和と安定⑤感染症に強い日本へ⑥国民の生命と暮らしを守る「防災立国」へ⑦気候変動対策、持続可能な地球環境へ――の7本柱に沿って説明しました。
このうち、安心の社会づくりでは、高齢者が意欲や能力に応じて、働き続けられる環境整備、障がい者の情報アクセシビリティー(利用しやすさ)の確保や移動支援の拡充、性的マイノリティー(少数者)の方や外国人など、多様性を尊重する社会づくりに取り組むと強調しました。
<統一選勝利へ決意>
来春の統一地方選予定候補を代表し、新潟県議選に新潟市中央区選挙区(定数3)から挑む現職の市村浩二<いちむら・こうじ>氏と、大阪府議選の吹田市選挙区(定数3=1減)に出馬予定の新人・大竹泉<おおたけ・いずみ>氏が決意を述べました。
市村氏は前回の初当選以来、1400件を超す県民相談・要望対応に動き、現場の声から新型コロナ対策に関する政策実現などに奔走<ほんそう>してきたと強調。また地道な街頭活動や議会ニュースの発行、SNSによる積極的な情報発信で党理解の輪を広げてきました。さらにASづくりにも挑戦し、「新潟から全国完勝への突破口を開いていく」と語りました。
一方、大竹氏は2人の子どもを育てる母親として、子育て世代など「切実な現実と向き合っている人のリアルな声に耳を傾け、皆が幸福に暮らせる社会を築く」と力説。前回も激戦だった吹田市選挙区が定数1減となり、今回はさらに厳しい選挙戦となる見通しだとして「〝伝統の1議席〟を何としても守る。生まれ育った吹田のために頑張る」と訴えました。
最後に山口代表を中心に勝ちどきを上げ、統一選の全員当選と2年後の結党60年に向け、勢いよく出発を切りました。